« 45.教育基本法改変を断行した政府の狙いは何か? | トップページ | <余談①>右傾化という時流に乗って「活躍」する人物のいい加減さとは? »

46.<いじめ問題④>いじめ自殺防止策     

今、伝えたい「いじめが続くなら、学校にいかなくていい」.pdfいじめられている君へ「学校に行かない勇気を持とう」.pdf

 

】いじめ自殺防止策は、学校から逃げること。学校に行かなくてはならないという固定観念は捨てよう(学校に行く権利はあっても学校行かなければならない義務はないのだから―義務教育の意味は、子どもが学校に行きたいといえば保護者は学校にいかせる義務があるということであって、子どもは学校に行く義務があるということではない)。 

  

いじめ自殺 我慢せず学校から逃げよう 

雨宮 処凛(あまみや かりん) 作家

 北海道や福岡県など各地でいじめ自殺が相次ぎ、学校や教育委員会の対応が批判を浴びている。助けを求める声に耳をふさぎ、事件などなかったふりをする―。彼らの対応は、私がいじめに悩み、自殺を考えていたあのころ(引用者注:10数年前)と、何も変わっていない<この文章が書かれた5年後の11(H23)年10月にも大津市いじめ自殺事件があり、その後も何も変わらなかった>。 

 いい先生が一人もいないわけではないが、学校や教育委員会に何かを期待しても、ほとんどは裏切られて終わる。傷つき、最後に死を選ぶよりは、一刻も早く学校から逃げ出そう 

 私へのいじめが始まったのは、中学2年の夏のことだった。所属していたバレー部で、3年生の引退をきっかけに、プレーが下手で足を引っ張っていると、みんなから無視されるようになったのだ。 

 失敗するとボールをぶつけられ、「パシリ」としてジュースの買い出しにも行かされた。何よりつらかったのは、昨日までの親友がいじめる側に回ったことだ。いじめに加わらなければ、自分がいじめられる。学校という「弱肉強食」の世界では、友情なんてガラスのようにもろい。 

 顧問の先生は気づいていたが見て見ぬふりだった。以前に、やはりいじめに遭っていた同級生が、この先生に相談したことがある。彼はウンザリした顔でいじめた側の生徒を呼び出し、「当事者同士で話し合え」と命じてどこかに行ってしまった。彼女はその場で袋だたきにあった。先生なんて信用できなかった。 

 だからといって、家族にも打ち明けられなかった。親や弟たちに、自分がいじめられるような人間だなんて思われたくなかった。気づくと、夜中に部屋で「私はいじめられてるんじゃない」とつぶやきながら、何度も手の甲をコンパスの針で突き刺していた。 

 ある日、橋の上から濁流に飛び込もうとして、我に返った。自転車に乗っていて、無意識に車道を走る車の前に飛び出したこともある。死は甘い誘惑だった。学校に行くことの方がずっと怖かった。 

 自殺の衝動は、いじめが始まって数カ月後に部活をやめたことで治まった。あのまま我慢して続けていたら、どうなっていただろうか。 

 だから、もう我慢するのはやめよう。いじめられていると親に言い出せないなら、仮病を使ってでも学校を休もう。それでも無理に学校に行かされそうになったら、部屋にカギをかけて籠城(ろうじよう)しよう。

 もちろん、親や家族が気づいてくれれば、もっといい。いじめられていると、世界中から自分の存在が否定された気分になる。家族に認められたことで、自殺を思いとどまったという人は多い。 

 親は学校に怒鳴り込もうとするかもしれないが、それで必ず解決するというわけじゃない。それより、旅行にでも連れ出してくれて、違う風景の中で「何があっても愛しているよ」と言ってくれたら、どれほど救われるだろう。 

 一連の事件で、教育再生会議や文部科学省、教育委員会は、再発防止策を検討している。議論に意昧がないとは言わないが、時間がかかるし、制度を改めれば解決するというわけでもない。 

 いじめの解決法に正解はない。ただ、今になってみると、私をいじめた、くだらない人間のために死ななくて、本当に良かったと思う。 

    ◇ 

 75年生まれ。元愛国パンクバンド「維新赤誠塾」ボーカル。著書に「バンギャル ア ゴーゴー」「すごい生き方」など。

   朝日新聞 06/11/11(土)朝刊「私の視点」

 (文中の太字は文引用者が強調のためにそうしたものです。) 


学校・教育・子どもサポート<リンク>

« 45.教育基本法改変を断行した政府の狙いは何か? | トップページ | <余談①>右傾化という時流に乗って「活躍」する人物のいい加減さとは? »

無料ブログはココログ