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44.<いじめ問題③>いじめが起こる理由とは?

いじめに対抗!    立松 和平―作家

 いじめというのは、一種の差別である。・・・・・・

 差別の構造とは、自分よりもっと差別されている人をつくることで、相対的に自分の社会的存在を高めようとする行為が差別である。・・・・・・

 子供を死にまで追い込むいじめは、結局のところ大人の社会のそのままの反映であると私は思う。大人の息詰まる競争社会は、自分以下とみなすことのできる人間を心理的にでも生み出そうとするのである。競争社会とはとどのつまり優劣をつけることであり、勝者と敗者に人を分別することなのだ。私たちの社会は、どうしてこんなふうに極端になってしまったのだろう。消費をあおる社会は、お金をたくさん儲(もう)けた人が偉いのだと、とどのつまりはそのことに行き着くのだ。子供たちは大人の風潮をそのまま写しているにすぎないのだと、私は思うのである。

 激しい競争社会では、全員が勝者になることはできない。子供の社会も、受験に勝つ者と敗れる者とに色分けされる。二種類に分別されるという恐怖は、自分より劣っているものを無理につくり出し、どうやら心理的バランスを保つことができるのだ。

 生きるのに、切ない時代である。いじめは大人社会をそのまま子供社会に持ち込んだものだとするなら、大人社会にも弱者いじめはたくさんある。根が深いから、学校など教育関係者だけで解決できる問題ではない。・・・・・・

  たてまつ・わへい 

1947年生まれ。早大卒。「自転車」(早稲田文学賞新人賞)、「遠雷」(野間文芸新人賞)、「毒―風聞・田中正造」(毎日出版文化賞)など。

    毎日新聞 06/11/25(土)「論点」

 (文中の太字は文引用者が強調のためにそうしたものです。)

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