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42.中南米左傾化の実情とその背景とは?

左傾化とまらぬ中南米

 ラテンアメリカで左傾化現象が止まらない。背景にあるのは絶望的な貧富の格差だ。人々は右派勢力の口先だけの公約にそっぽを向き、貧困脱出の希望を左派勢力に託し始めた。そのため、左派政権にとって貧困解決が政治的地歩を固める試金石であるとともに、追いつめられた右派勢カにとっても貧困対策への取り組みが早急の課題となっている。

 90年代にこぞって、民営化を進めるなどの新自由主義経済を取り入れたラテンアメリカ諸国は、インフレを克服し経済を安定させた。しかし、その恩恵は一部にとどまり、むしろ貧困層は格差の拡大を実感するようになった。それが21世紀に入り左傾化現象が顕著になった背景にある。

 相次いで誕生した左派系政権は、いずれも貧困克服を最優先課題にするが、その姿勢は「穏健派」「急進派」に大別される。穏健派の代表格は、新自由主義経済を維持しつつ貧困対策に力を入れるブラジルのルラ政権。一方、急進派はベネズエラのチャベス、ポリビアのモラレスの両政権で、資源の国家管理を強化しキューバと連携するなど社会主義的な政策を目指している。先日、政権奪取を決めたニカラグアのオルテガ氏がどんな政策を実行するのか注目されるところだ。

 穏健派については、国内急進派からは反発があるが、現実的な経済政策で国内外から信頼を得ていると言っていい。一方、急激な変革に挑むベネズエラとボリビアでは、反対派との対立が先鋭化しているが貧困層の支持は依然として高い。

 また、左派政権誕生には至らなかった国でも、左傾化現象は起きている。メキシコ大統領選では中道左派口ペス氏が与党・中道右派カルデロン氏に借敗ペルーでは急進左派ウマラ氏が決選投票に進出した。親米右派のウリベ大統領が圧勝で再選したコロンビアでさえ、左派候補が歴史的な得票率で2位につけた

 この流れの背景に貧困問題があることには、右派も気づいており、12月1日にメキシコ大統領に就任するカルデロン氏は、約20%の極貧人口を2030年までにゼロにするとの計画を発表している。

 今後をみても、26日のエクアドル大統領選決選投票には左派のコレア氏が進出。12月3日のベネズエラ大統領選ではチャベス氏再選が確実だ。右派勢力の貧困対策が成功しない限り、ラテンアメリカの左傾化は当分、続きそうだ。

 メキシコ市支局 庭田 学

    毎日新聞 06/11./25()朝刊

 (文中の太字は文引用者が強調のためにそうしたものです。)

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