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30.プラトンはソフィストに激しく嫉妬した!

 プロタゴラスやゴルギアスに代表されるギリシャのソフィストたち。本来なら「知恵のよく働く人」という意昧なのに、「詭弁(きべん)を弄(ろう)する似而非(えせ)知者」という悪名が付き纏(まと)って離れない。「無神論や不可知論、相対主義によって社会と道徳を破壊し、若者たちを腐敗させる背徳者」という烙印(らくいん)を押されてきた。

 しかし、ギリシャに始まった西洋哲学のあり方が根本的に問われている今、ソフィストの存在を見直す作業は、不可欠なのだ。哲学の再興は2500年の時空を超えて、ソフィストとの対決を通じてしかあり得ない。・・・・・・

 ソフィストとは授業料をとって「公的な場で上手に言論(ロゴス)を操る技術」を授ける西洋史上初めての職業的教師だった。若者たちは新鮮な知的刺激を与えられ、熱狂的に迎えた。それに最も危機感を感じたのがプラトンだった。

 プラトンは師ソクラテスがソフィストではなく「哲学者」であることを弁証することでソフィスト批判を展開する。知識の教授と引き替えに金銭を取ることは、知の自立を否定するものだ。「全知」を標榜(ひょうぼう)するなど傲慢(ごうまん)であり、「不知」を自覚し「知」を愛し求め続けるところに「哲学者」の所以(ゆえん)があるのだ。

 こうしてプラトンの「若者を誑(たぶら)かす不道徳なイカサマ師」というソフィスト像が歴史的に定着していく。・・・・・・

 読売新聞 06/11/12()朝刊

  『ソフィストとは誰か?』(納富信留/人文書院)書評(評・橋本五郎<本社編集委員>)

   のうとみ・のぶる 1965年、東京都生まれ。慶応大学文学部助教授。

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