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8.日の丸・君が代訴訟勝利! 都立学校教員、天晴れ!

【1】君が代不起立訴訟 : 東京高裁が都に初の賠償命令(12.11.07).pdf

【2】

 (文中の赤青太字は文引用者が強調のためにそうしたものです。

   朝日新聞 06/9/22()朝刊

日の丸・君が代強要 違憲 東京地裁判決

「思想の自由侵害」 教員処分 都に慰謝料命令

 入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強要するのは不当だとして、東京都立の高校や養護学校などの教職員が都教委などを相手に、起立や斉唱義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、違反者を処分するとした都教委の通達や職務命令は「少数者の思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法と判断起立、斉唱義務がないことを確認し、違反者の処分を禁止した。さらに、401人の原告全員に1人3万円の慰謝料を支払うよう都に命じた。都側は控訴する方針。

 《解説》日の丸・君が代を巡る都教委の通達は、「教育は不当な支配に服してはならない」と定めた教育基本法10条に違反する、と東京地裁判決は明確に認めた。・・・・・・

 

   毎日新聞 06/9/22()朝刊

国旗・国歌訴訟 判決要旨

 日の丸、君が代を巡る21日の東京地裁判決の要旨は次の通り。

 1 国旗に向かって起立したり、国歌を斉唱する義務がないことなどの確認を求める訴訟は適法か

 ・・・・・・訴えは適法と言うべき。

 2 都教委の通達や校長の職務命令は適法か

 【日の丸、君が代】

 日の丸、君が代は明治時代から第二次世界大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられたことがあることは否定し難い歴史的事実である。国旗・国歌法が制定された現在も、宗教的、政治的に価値中立的なものと認められるには至っていない。入学式や卒業式で国旗掲揚、国歌斉唱に反対する国民も少なからずいる。

 このような世界観、主義、主張を持つ者の思想・良心の自由も、公共の福祉に反しない限り、憲法上、保護に値する権利と言うべき。教職員に一律に国旗に向かって起立し国歌斉唱、ピアノ伴奏の義務を課すことは、思想・良心を有する者の自由権を侵害している。

 【学習指導要領に基づく義務】

 学習指導要領は法規としての性質を有するが、大綱的な基準にとどめるべきものと解するのが相当。大綱的基準を逸脱し、教職員に一方的な理論や観念を生徒に教え込むことを強制するような場合は、教育基本法10条1項が定める不当な支配に該当し、法規としての性質は否定される。

 指導要領は「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と規定するだけで、どのような教育をするかについてまでは定めていない。

 この条項の効力は、教職員に対し、一方的な理論や理念を生徒に教え込むことを強制しないとの解釈の下で認められるもので、この解釈を超えて、指導要領が教職員に起立して国歌を斉唱する義務、ピアノを伴奏する義務を負わせていると解することは困難である。

 【通達に基づく義務】

 通達は、国旗掲揚、国歌斉唱の具体的方法等を詳細に指示するもので、各学校の裁量を認める余地はほとんどない。また①都教委は通達と同時に「適格性に課題のある教育管理職の取扱いに関する要綱」を発表②各校長らに、国歌斉唱の方法、教職員に対する職務命令の発令方法、教職員の不起立等の現認方法及び都教委への報告方法等について指示③各校長は教職員に起立して国歌を斉唱し、ピアノ伴奏するよう職務命令を発した④都教委は職務命令違反の教職員を、1回目は戒告、2回目及び3回目は減給、4回目は停職との基準で懲戒処分にした⑤定年退職後に再雇用を希望する教職員に職務命令違反があった場合、再雇用を拒否した――などの経緯が認められる。一連の指導は校長の裁量を許さず、教職員に国歌斉唱などを強制したと評価できる。

 とすると、通達や指導は、教育の自主性を侵害するうえ、教職員に対し、一方的な理論や観念を生徒に教え込むことを強制するに等しい。教育基本法が規定する不当な支配に該当するものとして違法と解するのが相当で、憲法19条の思想・良心の自由にも反している

 【校長の職務命令に基づく義務について】

 教職員は原則として校長の職務命令に従う義務を負うものの、命令に重大かつ明白な瑠疵(かし)がある場合は従う義務はない。起立して国歌を斉唱し、ピアノを伴奏する義務はなく、むしろ思想・良心の自由に基づき拒否する自由を有している。原告らが起立や斉唱を拒否しても、入学式、卒業式の式典進行を妨害することはないうえ、生徒らに拒否をあおる恐れがあるとも言えない。

 仮に教員がピアノ伴奏を拒否したとしても代替手段がある。原告らの拒否は、異なる世界観、主義、主張を持つ者に対し不快感を与えることがあるとしても、憲法は 相反する世界観、主義、主張を持つ者に対しても相互の理解を求めている。不快感により原告ら教職員の基本的人権を制約することは相当ではない。校長らの職務命令には重大かつ明白な瑠疵がある。

 3 国家賠償請求権について

 原告らは違法な通達や職務命令により、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するかどうか、ピアノを伴奏するかどうかの岐路に立たされ、自らの思想・良心に反して通達や命令に従わされたことで精神的損害を被った

 4 結論

 国旗、国歌への正しい認識を持たせ、尊重する態度を育てることは重要なことで、式典で国旗を掲げ、国歌を斉唱することは有意義なものといえる。しかし、懲戒処分をしてまで起立させ、斉唱させることは、言わば少数者の思想良心の自由を侵害し、行き過ぎた措置であると思われる。

 国旗、国歌は国民に強制するのではなく、自然のうちに国民の間に定着させるのが国旗・国歌法の制度趣旨であり、学習指導要領の理念と考えられる。これらの趣旨に照らすと、都教委の通達や校長らの職務命令は違法であると判断した。

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